オオクチバスの特定外来生物指定に関する声明文
全国カヤネズミ・ネットワークは、我が国の河川生態系の一員であるカヤネズミを保護する団体である。当会は「オオクチバスを特定外来生物に指定すべき」との小池百合子環境大臣の決断を歓迎し、これを支持する。
野生生物にとって、生息環境が健全に保たれることは何より重要である。カヤネズミは、水辺に生育するヨシやオギで巣を作るが、近年の外来植物の侵入・定着により、生息環境が急激に悪化している。
生態系の構成種は、相互に干渉し合っている。小型猛禽類にとっては、カヤネズミは格好の餌となる。カヤネズミ以外にも様々な生きものがヨシやオギを産卵や休息場所に利用しており、我が国の生物多様性に重要な役割を担っている。本法の趣旨を鑑みれば、河川生態系への悪影響が明確なオオクチバスは、第一に指定されるべきであり、本来の良好な水辺環境を復活させるためにも、有意義と考える。
小池大臣の発言は、我が国の水辺環境がおかれた危機的な現状を、まさに水際で食い止めるために作られた法律の趣旨に立ち返られたものである。各方面に配慮する余り、問題の本質を見失わないで欲しい。今回の英断により、他種の指定にも弾みがつくことを期待する。
全国カヤネズミ・ネットワーク
代表 畠 佐代子
2005年1月28日
このトピックについての『保全ゼミ@オンライン』記事へのリンクはこちら